【五足のくつ】温泉・客室・料理の魅力をまとめて紹介レビュー

熊本県天草市、石山離宮五足のくつは、東シナ海を背に、全室離れ・露天風呂付きという贅沢な時間を提供しています。

扉をくぐると、天草の歴史と南蛮文化をモチーフにした設えが迎えられ、海と森、そして歴史のレイヤーがひとつに重なる場所へと導かれます。

客室の扉を開けると、苔むした庭に木洩れ日が差し込み、傾いた館内灯がやわらかに影を作る。

露天風呂の湯に手を浸せば、アルカリ性の湯が肌をなぞり、日常という殻が少しずつほどけていく。

夕食の膳には、天草の海と山から摘まれた旬が盛られ、一口ごとに土地の記憶が蘇る。

森の香り、海の風、夕陽のオレンジ—五感が自然と優しく開かれていくような滞在です。

この記事では、「ここに泊まりたい」と読者が感じるための宿の魅力を、私自身が宿泊したかのような臨場感と、実用的な視点で余すところなくお伝えします。

【客室の魅力】

和モダン+南方の意匠

和モダン+南方の意匠

熊本 天草の旅館 五足のくつ|緑に囲まれた客室 スタンダード Villa A

扉を開けると、和室の落ち着いた畳と木組み、そして障子の柔らかな光。

そこにふと目を移すと、天草の南方的な空気をまとった意匠、瓦屋根を思わせる梁、深緑の植栽が借景となる縁側、ステンドグラスのような装飾。

全室離れ、15棟のヴィラタイプという点も特筆に値します。

公式には「1万坪の敷地に15棟の離れ」が納められているとされています。

例えば、VillaAタイプには「漁師町を思わせる、緑に囲まれた素朴な空間」などという紹介も。

静寂と気配が共存するこの設えは、旅の装いをひとつ格上げしてくれます。

専用露天風呂付き・静寂のひととき

専用露天風呂付き・静寂のひととき

熊本 天草の旅館 五足のくつ|海が見える客室 プレミアム Villa C

この宿の客室の最大の魅力は、すべての棟に天然温泉の露天風呂が設えられているという点です。

VillaC-2では、露天風呂の縁にそっと手を置くと、温泉の湯気とともに、海を抱いた山の風が頬を撫でます。

湯の湯温が身体に染みわたると、脇を流れる木々のざわめきや夕陽に染まる海の色がふっと意識に上がります。

客室内には内湯やガーデンシャワーを備えたタイプもあり、好みに応じて「湯・景・時」を選べる自由さも嬉しい。

なお、坂や石段を経てアクセスする棟もあるため、車椅子・脚の弱い方は事前に「動線の軽い棟」を相談されると安心です。

客室に関する印象的なレビュー

実は最初口コミを見て不安に感じていたのですが

子供3人、家族5人で宿泊しました。

実は最初口コミを見て不安に感じていたのですが、事前にメールで困りごとや質問などについてやりとりしてくださり、私たちにとっては連泊したいくらい良いお宿でした。レトロで独特な雰囲気が大好きに!

到着が予定よりも遅れてしまったのですが、入り口でオーナーが待ってくださっていて大変申し訳なかったです。

入り口からジブリの世界に入ったようでテンションが爆上がり。

部屋も古さはありつつもとても綺麗で落ち着きました。

露天風呂が、海を眺めながら入れるお風呂で子供たちも大はしゃぎ!あいにくの曇りでしたが、雲の隙間からさしこむ陽の光が幻想的でした。

誕生日旅行ということを伝えていたので、お食事の時にサービスでお祝いのカクテルとノンアルカクテルをいただきました。

私たち家族は少食なので夜ご飯は少なめのプランを依頼。ご飯も口コミを見て不安でしたが、私たちは出てきたご飯がとても綺麗でテンションあがりました。マリア像がある食堂で、そこで流れる讃美歌も雰囲気が出ていて良かったです。
ステーキがとても柔らかくて美味しいのでおすすめです。
サザエのつぼやきなど子供たちとっては大人な食材がありましたが私たち夫婦は満足な内容でした。イカ丼にグレードアップして良かった。

また追加で頼んでいたフルーツパフェがとっても豪華でいい意味で驚きました。

支配人の中川さんは終始親切でしたし、お話していると天草の魅力が伝わりました。年配のスタッフの方々が子供たちに優しく話しかけてくださりほっこりしましたし、最後オーナーが素敵な家族写真を撮ってくれました。

少し遠いのですが、また行きたいと思える宿です。

 

温泉・露天風呂

源泉かけ流し・おだやかな湯

五足のくつの客室露天には、天草・下田温泉の源泉がそのまま注がれています。

湯はナトリウム‐炭酸水素塩泉+塩化物泉と紹介され、肌をなめらかに包み込むような、やさしい湯ざわりが魅力です。

湯面に木漏れ日が揺れ、縁を自然石が囲む湯船に身を預けると、日常の緊張が少しずつ落ちていくのを感じます。

泉質の特徴として「入浴後もぽかぽかが持続しやすい」との声が多く、体の芯が温まる実感があるという口コミも見られます。

肌あたりはやわらかく、湯に浸かるほどに、炭酸水素塩泉らしい“すべらかさ”がふっと広がり、塩化物泉由来の温まりが長く寄り添ってくれるようでした。

客室ごとに意匠は異なりますが、いずれも自然を近くに感じられる造りが印象的で、朝は静かな鳥の声とともに湯を、夜は星を仰ぎながら湯を楽しむ。

そんな、時間帯ごとの心地よさがあると紹介されています。

森と海を感じる露天体

源泉かけ流し・おだやかな湯

熊本 天草の旅館 下田温泉 露天風呂付 離れの宿|五足のくつ 温泉

五足のくつの露天風呂は、森と海の気配が重なり合う、特別な時間をもたらしてくれます。

周囲を包むのは、背丈の高い常緑の木立。

葉が揺れるたび、木陰が湯面をやさしく揺らし、風が肌をかすめます。

客室の方角や植栽の抜けによっては、東シナ海がそっと覗くつくりもあり、森だけでも海だけでもない、奥行きのある景色が生まれていました。

なかでも、VillaCはテラス風の設えが特徴と紹介され、屋外に開いた視界と、湯の温もりがそのまま繋がる感覚が味わえます。

深く呼吸をすると、森の匂いと潮の香りが重なり、身体の中へ静かに沁み込んでいくようでした。

時間によって印象が変わる点も、この露天の魅力。

朝は淡く霞んだ空気に包まれ、鳥の声がひそやかに響く

一方、夜は光が落ち、星が濃く瞬く時間。耳を澄ませば、風の音が昼よりも低く、深く響き、“音”の質までが変わるように感じられます。

温泉に関する印象的なレビュー

投稿者さんの 石山離宮 五足のくつ のクチコミ

祖父と母の三世代での旅行でした。年齢を問わず快適に過ごせて良かったです。高齢の祖父と旅行するにあたって、温泉に連れて行ってあげたいけれど大浴場だと心配でも見に行けないので、露天風呂があるこちらに決めました。祖父の「こんなに気持ちいい風呂は久しぶりだと」何度も笑顔を見せてくれて、ここにして良かったと感じました。食事もとても美味しく、天草の幸を堪能しました。世代を超えて楽しめるあたたかい思い出ができました。また、季節を変えて訪れたいです。

料理・ダイニング

天草の海山素材×懐石スタイル

夕食は、天草の海と山が育んだ素材を中心に組まれる懐石スタイル。

地元の漁港で揚がった鮮魚や、旨みが濃い天草黒牛、季節ごとに表情を変える野菜を取り合わせ、派手な演出よりも“素材が持つ力”を素直に引き出す仕立てが印象的です。

味つけは比較的控えめで、口に含むと食材の輪郭がすっと立ち、噛むほどに旨味が広がっていきます。

海の幸は、刺身盛りでその鮮度を存分に。脂ののり方や、潮の香りがふっと鼻先に抜ける感覚が心地よく、ひと切れごとに土地の記憶がよみがえるようでした。

焼きものには、炭火焼きが登場することもあり、香ばしさが素材の風味を一段押し上げます。

炭がくぐもった音を立て、湯気がほのかに立ちのぼる様は、目でも楽しめる時間です。

個室ダイニングで静かな時間

個室ダイニングで静かな時間

熊本 天草の旅館 五足のくつ|海が見える客室 プレミアム Villa C

五足のくつの食事処は、原則として個室スタイル

余計な音が届かず、話し声がそっと落ち着く空間は、まるで自宅の離れに招かれたような安心感があります。

障子越しに灯りがにじむ室内は、温度が低めに整えられ、食事の香りと視線が自然と一皿に向かうよう配されています。

特に心に残るのは、夕景の時間

窓外の空がゆっくり淡い橙色に染まり、森が静かに輪郭を失っていく光景は、言葉を挟む必要がないほど印象的です。

個室という安心感は、記念日や特別な日の滞在にもよく合うようで、「誕生日を祝ってもらえた」「静かに過ごせた」といった声も見られます。

派手な演出はなくとも、席へ案内される瞬間から、退席するときまでの一連の流れがさりげなく整っており、居心地の良さが自然と心に残ります。

料理に関する印象的なレビュー

水心子さんの 石山離宮 五足のくつ のクチコミ

遠方の土地に足を運んで、こんな経験はないでしょうか。こちらに気を使って口に合わせてくれたろうご馳走料理より、「こんなものしかありませんが…」と出してくれた料理の方が倍美味しかったということが。ましてこちらのは地元の厳選素材、それをさらに磨き上げた料理の数々にはもはや感激しかありませんでした。雰囲気も白秋の詩のような情緒溢れる雰囲気に、終始うっとりと非日常を味わいました。
個人的に惜しまれたのが周囲にあった文学の小道を歩けなかったこと。事前によく調べてもっと履きやすい靴を用意してくれば良かったと…。遠方ですがいつかリベンジしたいです。

 

館内施設・サービス

レセプション・静かな館内空間

レセプション・静かな館内空間

九州 熊本 天草の旅館 下田温泉 露天風呂付 離れの宿|温泉旅館「五足のくつ」とは 

五足のくつのレセプションは、華美な装飾を避け、木の温もりと土壁の柔らかな質感を生かした設えが印象的です。

足を踏み入れた瞬間、森の空気がほのかに流れ込み、深く息を吸いたくなる静けさに包まれます。

木の香りがほのかに漂い、自然と肩の力がほどけていくようでした。

チェックイン時には、季節のウェルカムとして、よもぎ団子や温かい飲み物が供されることもあり、長旅で少し冷えた身体を優しく迎えてくれます。

寄り添うサービス(記念日・動線相談)

五足のくつでは、過度に踏み込まず、しかし必要な時にはそっと寄り添う、控えめで温かな距離感のおもてなしが印象的です。

記念日の滞在では、ケーキや花の手配に応じてくれると紹介されており、誕生日や結婚祝いで利用したゲストから「さりげない演出が嬉しかった」との声も。

大げさなサプライズではなく、静かな時間にそっと彩りを添える配慮が、この宿らしいところです。

個室ダイニングでの記念日ディナーはもちろん、チェックイン前後のフォトスポット案内など、思い出に残る滞在を支えてくれる小さな工夫が見られます。

“気づけば助けになっている”

そんな軽やかなサービスが、この宿の静けさとよくなじんでいました。

サービスに関する印象的なレビュー

投稿者さんの 石山離宮 五足のくつ のクチコミ

かなり周囲から隔絶された環境で、まさしく隠れ家的なお宿でした。ちょっとわかりずらいロケーションの駐車場の入口で寒い中を待っていてくださったスタッフに導かれてチェックイン。各室(戸)がそれぞれ離れになっており、フロント棟以外では他のお客様と顔を合わせませんでした。食事は邪宗門という独立した食事棟の個室で摂りましたが、こちらでも他のお客様とは全く会いませんでした。長い廊下にはマリア様が。食事は一つ一つ丁寧に作られて丁度良い間合いで運ばれてきました。天草の海鮮と和牛がとても美味しく頂けました。部屋はちょっと古くはなっていましたがとても渋みのあるしっかりとした作りでゆったりとしていました。難を言えば、メゾネット式なので階段の上り下りがやや億劫でした。この施設はバリアフリーにはなっていないので、それは要注意です。すぐ近くの夕陽の名所で素敵な景色を眺め、時間の止まったような世界を堪能しました。

 

立地・アクセス

アクセスポイントと滞在前の注意点

山の中腹、東シナ海を望む高台に位置するため、アクセスには少し余裕と計画が必要です。

高速道路を降りてからは、海岸線を走ったり、細い山道を登ったりする区間があります。

特に、夕暮れ時や雨天時は道の視界・運転の安心に配慮を。

実際に「宿から少し離れた山道を左右しながら登る」「細めの道や坂道がある」とのレビューもあります。

宿泊当日は、レンタカーやタクシー利用を前提にすると安心です。

また、公共交通利用の場合は「本渡バスセンターで降車→タクシー利用」などの組み合わせが推奨されています。

送迎の有無・時刻・予約条件は、宿へ事前確認をお勧めします。

基本情報

項目詳細
住所熊本県天草市天草町下田北2237
アクセス・車:九州自動車道松橋ICより約2時間/熊本駅・熊本空港から車で約2時間30分

・飛行機:天草空港より車・タクシーで約40分

・バス:本渡バスセンターから車・タクシーで30分程度

駐車場普通車約15台・無料
送迎本渡バスターミナル/本渡港/天草空港からの送迎あり(要予約)

【口コミ・レビュー】

良いレビュー・口コミ

投稿者さんの 石山離宮 五足のくつ のクチコミ

初めて熊本・天草を訪ね、友人の勧めで宿泊しました。天草の大自然に包まれ心地よい時間を過ごすことができました。お食事も美味しく個室でゆっくりいただきました。お部屋は贅沢な二階建てで海も見えるし露天風呂もあり最高でした。お布団もふかふかでぐっすり眠ることができました。入り口にあるアコウの木には圧倒されました。遠方ですが機会がありましたら是非また宿泊したいと思っています。

大満足の異空間?!

熊本旅行の1泊目で利用させていただきました。熊本空港からレンタカーでの移動はさすがに遠かったですが、到着してからの雰囲気は素晴らしいものでした。
部屋の外は鳥か虫の声しか聞こえず、露天風呂は良い湯加減でずっと入っていました。食事も大満足で食べ過ぎましたが、これも旅行の醍醐味!
なんだか滞在中はフワフワしてた気がします。気持ちよく過ごさせていただきありがとうございました。

◼︎悪いレビュー・口コミ

あまりおすすめではない

結論から言うとおすすめではありません。
宿の立地は山の中になんとか立てたと言うような印象で、秘境好きなどには好まれるかもしれません。車で急な坂道を登るのですが、道も狭く、暗く、良好なアクセスとはいえません。部屋についてはある程度綺麗なのですが、値段以上と言われるとそうでもなく相応なつくりです。露天風呂からの眺めも木々が生い茂りあまり良好なものでもありませんでした。
極め付けは食事です。前述した通り辺鄙な場所に宿があるせいか、食事が冷えているものばかりでした。味もたいして美味しくなく、冷蔵しながら運んできて、皿に移し替えたものなのなんだろうなと言うのが一目でわかります。

一言で言うと値段に釣り合っていない、サービス、宿、食事等だと思われます。
おそらく辺鄙な場所に建てすぎて建築費がかさんだのでしょうか?
私は大事な人と宿泊したので良い思い出にはなりましたが、2度と行くことはないと思います。

まあ、この宿についての評判は他のWEBサイトでも掲載されているので、そちらも参考にしながら選ばれると良いと思います。

料金に引き合わない宿

1泊しましたが、2日目は朝から雨で(一時、どしゃ降り)、露天風呂に屋根がないので、2日目は露天風呂を利用できる状態でなく残念でした。天候なのでしょうがないですが、屋根をつけた旅館もあるのでなんとかならないものかと思います。また、お湯の温度が熱くてゆっくり温泉を楽しめませんでした。内風呂は温泉でなく、沸かし湯であることを当日知りガッカリしました。このことは案内のどこにも書かれていないと思います。事前に知っていたら宿泊しませんでした。
料理は夕食、朝食とも手の込んだ美味しいものでした。
浴室のドアのノブが外れたまま修理されておらず、点検がきちんとされていないことを示していると思いました。
このクラスの宿なら冷蔵庫内の水や、ドリップコーヒーなど無料提供のところが多いのですが、すべて有料なのはどうかと思いました。
敷地内の移動のほとんどは石段ですが、注意して歩かないと転ぶ危なさがあります。
総じて料金に見合わない施設だという感想を持ちました。

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